ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『ぜったい多数』(松竹大船1965:中村登)

 ラピュタ阿佐ヶ谷モーニングショー・桑野みゆき特集にて『ぜったい多数』(松竹大船1965:中村登)を見る。
 なんともすっきりしない消化不良の作品。青春の躍動感もなければ、恋愛の喜び悲しみもない。
 4年制大学を出た桑野みゆきは、都会で生活をする意義を見いだせず、田舎に帰ろうとする。ひょんなことから、青年実業家・伊藤孝雄と知り合い、彼の経営する歌声喫茶「仲間」に勤務することになる。ふたりの関係は結婚を前提にしたものに。
 でも、伊藤との恋愛にも煮え切らないみゆきは、“忠犬ハチ公”とあだ名していたアルバイト従業員たちの待遇改善要求ストに加わったりする。なにをしたいのかよくわからない人だ。
 ラストは、原作者・曾野綾子お得意のキリスト教的死を田村正和に与えて、ジ・エンド。
 なんとも、やるせない。