『THE有頂天ホテル』(フジテレビ=東宝2006:三谷幸喜)、人気俳優が勢ぞろいしてお話が楽しく展開しておもしろい。
でも、これだけの豪華キャストで、ひとりとして印象に残る人がいないのはどうしたことだろう。みんなを均等に扱ったせいで、個々の見せ場はあっても印象が薄くなって、大きな感動にならない。
たとえば、香取慎吾がギターを弾きながら歌うのを聞いて、隣の部屋にいた佐藤浩市が自殺を思いとどまるシーンも大きな感動にはならない。楽曲もイマイチのせいもある。映画が終わっても誰でもハミングできるもっと感動できるようなメロディーにすべきではなかったか。
あるいは、記者会見にせっかくのステージ衣装で登場した西田敏行に対して、一節歌わせて場をさらわせるとか。
ないものねだりになるかもしれないが、せっかくのおもしろい題材なんだからもっとおもしろくなるよう努力すべきかな。
2006.05.15(月)