フィルムセンター・小ホールにて『きさらぎ無双剣』(東映京都1962:佐々木康)を見る。
市川右太衛門特集の3本目。小藩の殿様(右太衛門)が素浪人に扮し、尾張藩の野望から将軍吉宗(東千代之介)を助ける、というお話。
右太衛門の流麗な殺陣、近衛十四郎の豪快な剣、里見浩太郎のハツラツたる太刀使い、松方弘樹の軽業的身のこなしぶり、とそれぞれ見せ場たっぷり。それに比べて、近衛十四郎と同等の剣の使い手・若山富三郎の見せ場があまりない。やはり、新東宝からの途中入社の悲哀を味わっていた時期なんだろう。
みごと、悪をやっつけて、三者三様(右太衛門と大川恵子、里見浩太郎と青山京子、松方弘樹と筑波久子)のカップルが東海道を下っていく図は、思わず見る側の顔がほころぶハッピーエンドだ!