ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『足摺岬』(近代映画協会1954:吉村公三郎)

 ラピュタ阿佐ヶ谷にて『足摺岬』(近代映画協会1954:吉村公三郎)を見る。再見。津島恵子特集の第8週目である。
 戦前の貧乏学生・木村功が、特高警察に監視され、密かに心を通わせ合っていた津島恵子も田舎に帰って、最後の支えである母親にも死なれてしまう。生きる希望を失った彼は、本郷菊坂の下宿を引き払って、津島の田舎である足摺岬へと向かう。
 暗く重い話ではあるが、津島恵子の明るく爽やかな笑顔がどれだけ木村功の心を救い、また我々観客をも重苦しい内容から解放してくれたことか。