ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『スター毒殺事件』(新東宝1958:赤坂長義)


 ラピュタ阿佐ヶ谷で1月28日(日)から行われている「ミステリ劇場へ、ようこそ。【第2幕】」の1本『スター毒殺事件』(新東宝1958:赤坂長義)を見る。これがまたひどい作品であった。
 映画スター・天知茂は、自分の恋人・万里昌代を映画女優にするため、社長・高田稔に紹介する。初めは乗り気でなかった万里も、華やかな世界でスポットライトを浴びると、女優としての意欲が出てくる。やがて天知のライバルスター・江見渉と恋仲となる万里。ここらへんのヤニ下がったドンファンぶりは、江見渉の専売特許、天下一品である。嫉妬に狂った天知は二人を毒殺しようとする。江見は死に、万里は助かる。後悔した天知が万里に許しを乞うが拒絶される。すると、半分自棄気味に次々と自分に不利な証人を殺害していく天知。
 最後は、警官隊に逃げる、逃げる。その自己陶酔型の逃亡劇を、ダラダラと追う演出のなさ。出ている役者たちも薄っぺらな演技。あいた口がふさがらないとはこのことである。 見どころは、万里昌代のセクシーな踊りのみ!