ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『暗いところで待ち合わせ』(2006:天願大介)


 池袋・新文芸坐にて「気になる日本映画達<アイツラ>2006」の1本『暗いところで待ち合わせ』(2006:天願大介)を見る。
 盲目のミチル(田中麗奈)は、父親(岸部一徳)に死なれて一人暮らし。そこへ殺人事件の容疑者・アキヒロ(チェン・ボーリン)が侵入してくる。オードリー・ヘプバーンの『暗くなるまで待って』のような設定。あちらは怖かったが、こちらは怖さはない。ただ、ミチルがアキヒロにいつ触れるか、いつ気がつくか、という心地よいサスペンスはある。
 しっかりした人間描写、緊張感あふれる画面作り、さすが今村昌平の息子だけのことはある。いや、この作品で天願大介は、人間へのやさしさという新境地を切り開いたのではなかろうか。秀作である。