ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

芦屋雁之助を追悼して

 フィルムセンター「特集・逝ける映画人を偲んで2004ー2006」にて、『雁ちゃんの警察日記』(松竹京都1962:酒井欣也)、『関東果し状』(東映京都1965:小沢茂弘)を観る。
 『雁ちゃんの警察日記』は、文字通りの芦屋雁之助主演作。雁之助が京都市警察署捜査一課庶務係に勤務し、警察音楽隊のトランペッターとしても活躍する。
 『関東果し状』では、目を怪我した女工藤純子の見舞いに山形から来た彼女の父親に扮して、主役・鶴田浩二に挨拶をする。かなりの老け役メークで、一瞬誰だかわからなかったくらい。
 次の日は、ラピュタ阿佐ヶ谷「映画×温泉/湯けむり日本映画紀行」にて、『風流温泉日記』(宝塚映画1958:松林宗恵)を観る。
 高級乗用車で白浜温泉に乗りつける社長に扮したのが芦屋雁之助、運転手に扮したのが立川博。精いっぱい偉そうにふるまったものの、旅館の支配人・加東大介にはバレバレ。実は二人ともタクシーの運ちゃん。たまの休暇を思う存分、お客様気分を味わいたいがための芝居。旅館側も二人に合わせて、あたたかいもてなしで送り出してあげる。
 帰りの車で、「ばれてたな」と笑いながら、新聞紙の100万円を道にばらまく雁之助。なんとも心温まる役どころであった。
 今回、3本続けて芦屋雁之助出演作品を観たのは全くの偶然。3本目なぞ、データベースには彼の名前さえない。やはり映画は観てみないとわからない。ということで、大収穫の2日間であった。