ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『東京のえくぼ』(新東宝1952:松林宗恵)

 ラピュタ阿佐ヶ谷にて『東京のえくぼ』(新東宝1952:松林宗恵)を観る。再見。
 以前フィルムセンターで観ているので今回はパスしようと思ったが、またみてしまった。それが大正解。心ウキウキと豊かな気持ちになり、それが3日たっても続いているんだからすばらしい。
 この作品、『ローマの休日』の男性版といった趣で、しかも前年に製作しているところがすごい。松林宗恵のロマンチックコメディのセンスは、世界の最先端をいっていたのだ。
 毎日、めくら判を押すことが嫌になった大社長・上原謙、彼に同情してエスープを手伝う秘書事務係・丹阿弥谷津子。二人はやがて恋仲となり、、。
 脇の登場人物も実にいい。柳家金語楼清川虹子の両親、専務の古川緑波、ゲスト出演の警官・小林桂樹と婦警・高峰秀子、みんな心暖まる演技である。もちろん、主演である上原謙のユーモアあふれるとぼけた味わいもいいが、なんといってもヒロイン・丹阿弥谷津子の笑顔がなんと魅力的なことよ!