ラピュタ阿佐ヶ谷にて、『ボクは五才』(大映京都1970:湯浅憲明)を観る。「1970-71ダイニチ映配ノスタルジア」特集の1本。
大阪万博会場から四国・高知へまでの行程をナレーションが説明する。この400キロメートルを五才の男の子がたったひとりで大阪まで父親会いたさに無銭旅行する。これは実際に起こったお話です、という前説でドラマは始まる。
主演の男の子・岡本健が実にいい。わざとらしい演技はせず、自然のまま。セリフを極端に減らし、顔の表情や立ち居振る舞いを巧みに切り取った演出の勝利である。
やっと大阪で父親の宇津井健に再会するシーンなぞ、おもわず涙ぐんでしまった。
岡本健の祖父母に扮した左卜全と北林谷栄が絶妙の老夫婦ぶりを見せてくれる。ひょっとすると、この作品が夫婦役としては初共演かな?