ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『椿三十郎』(2007:森田芳光)

 『椿三十郎』(2007:森田芳光)を、12月上旬にユナイテッド・シネマ豊洲にて見る。
 再映画化する場合、前作とは違った面を見せなければおもしろくない。まして全く同じ脚本をそのまま使う場合はなおのこと。
 たとえば、九人の若侍を人気者イケメン男優で固めるとか。松山ケンイチ以外、ちっとも区別がつかない。私が知らないだけなんだろうか。それとも、2006年の暮れに撮影した時点で、これから伸びる若者たちを集めたつもりだったのかな? ところが製作者側の期待を裏切って、松山ケンイチ以外誰も伸びなかったということなんだろうか。
 もうひとつ例をあげるならば、家老の奥方をあっというような大物女優を使うとか。中村玉緒ではあまりにも予定調和すぎてつまらない。
 殺陣はバストショットばかりで、ダイナミックさが感じられない。
 私は何も期待していないので、まあ、予想通りのできだな、というところ。
 でも、これを見ておもしろいと感じた若者もいるようなので、角川春樹の狙いはほんの少し成功したと言えるだろう。よかった、よかった。