ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『世紀は笑ふ』(日活1941:マキノ正博)

 『世紀は笑ふ』(日活1941:マキノ正博)をフィルムセンターにて見る。お笑いレビュー映画と思いきや、溝口健二もビックリ(とは大げさ)の芸道物だった。
 屋台のシナそば屋を仲良くやっている杉野凡作(杉狂児)と廣田大造(廣澤虎造)。ひょんなことから廣田の浪曲師への道が開こうとする。しかし、杉野への友情からその誘いをことわる。それを知った杉野はこれまた友情のために、わざと悪態をついて泣く泣く喧嘩別れをする。
 パターン化したお話の流れではあっても、演出のうまさで充分泣かせてもらえる。ラストはもちろん、大成した二人が和解し、屋台を引いていた町での恩返しの舞台を披露しての大団円。心楽しくなる作品であった。