フィルムセンターにて『江戸っ子肌』(東映京都1961:マキノ雅弘)を見る。500円。
江戸の花形・火消しを描いた、仕事の映画である。火事が起きると、「いろは・・」各組の火消したちが先を争って火事場へ行き、屋根瓦によじ登って纏を振るう。そこまでの光景しか見たことがなかった。この作品は違う。手押しポンプで水を汲み上げて布製(?)筒先からはき出して消火活動をおこなうのである。江戸時代の消防士をきっちり描いているという点では貴重な作品である。というほどのおおげさなことでもないか。私が今までの山のような時代劇を見逃していただけの話かもしれない。
「加賀鳶」大川橋蔵と「は組」黒川弥太郎の対立と友情。黒川の妹・桜町弘子と橋蔵の恋愛。それに芸者・淡島千景の橋蔵への片思いやら、淡島の兄である喧嘩助太刀屋・山形勲らが絡む。庶民の粋な世界を描いた明朗時代劇である。