『その木戸を通って』(1993:市川崑)を丸の内TOEI②にて見る。株主券。パンフレット500円。
ハイビジョンで撮った作品。バックの竹林や家屋の奥などはぼやけたり、暗闇にとけ込んだりしてしまう。ここらへんがハイビジョンと言えども、フィルムにかなわないところか。あらためてフィルムの良さを再認識するためにみたようなもの。
お話は、山本周五郎の特徴である幸薄いヒロイン、武家の次男・三男の主人公、チャンバラなし、筆・算盤でのお城勤め、などがてんこ盛り。それらをきっちりとコンパクトにまとめた演出は、さすがに市川崑である。
ヒロイン・浅野ゆう子の過去を謎のままにしての終わらせ方も、余韻にひたれていい。
とりあえず、映画館上映まで待っただけのことはある作品で満足、満足。