ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『三つの結婚』(松竹大船1950:佐々木啓祐)

 フィルムセンターにて『三つの結婚』(松竹大船1950:佐々木啓祐)を見る。「特集・逝ける映画人を偲んで 2007-2008」の1本。500円。
 女学校での仲良し三人組が、卒業してからの結婚生活のお話。明るく笑えるラブコメディかな、と思ったが、桂木洋子、日高澄江、水原真知子のメンツでは、どう転んでもライトコメディにはなりえない。万城目正の音楽に乗ったメロドラマが妥当なところか。
 唯一、笑わせてくれるのが、金持ちのお坊っちゃんに扮した田崎潤。最初に登場した時は、サングラスをつけて誰だかわからず、戦後になってもサイレント時代の典型的三枚目演技をやらせるとは、佐々木啓祐監督のセンスはこんなもんかと、あきれてしまった。
 ところがサングラスを外し素顔がわかると、ややオーバーアクション気味の三枚目演技も気にならなくなった。むしろ、桂木洋子に嫌われても「痴人の愛」的けなげな夫に扮した田崎潤は、この作品の影の主役ではなかろうかと思えてくる。彼のおかげで、何とか最後まで見れたようなもんだった。
 ところで、プログラムには96分と紹介されてあったが、終了したのが40分過ぎ、少なくとも100分はあったと思うのだが、、、。