ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『千曲川絶唱』(東京映画1967:豊田四郎)

 ラピュタ阿佐ヶ谷にて『千曲川絶唱』(東京映画1967:豊田四郎)を見る。再見(3、4回目かな)。昭和の銀幕に輝くヒロイン[第48弾]星由里子の第8週。招待券(会員ポイント)。
 星由里子と北大路欣也のコンビ1作目。これが好評だったので、『北穂高絶唱』(1968:沢島忠)、『津軽絶唱』(1969:岡本愛彦)、と都合3本製作されたが、だんだんと質が落ちていった。当たり前と言えばそうなんだが。
 今回、注目したのは、いしだあゆみの演技。かなり毒のあるキャラクターで、ヒューマニスト松山善三の脚本にしては珍しい。おそらく、意地悪じいさん・豊田四郎の要請ではなかろうか。
 この女の性(さが)をむき出しにしたような少女をいしだあゆみに演じさせることによって、星由里子のひたむきな愛情が際立つわけである。
 さらに、いつも感嘆するのだが、岡崎宏三の望遠カメラは実にいい。ラストシーン、千曲川北大路欣也の骨を流す星由里子。そのシルエットがキラキラと光る川の揺らめきと一体化した姿は、すばらしい!の一言である。