ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『北国の街』(日活1965:柳瀬観)

 神保町シアターにて、『北国の街』(日活1965:柳瀬観)を見る。「思い出は列車に乗って 川本三郎編 鉄道映画紀行」の1本。1200円。
 富島健夫「雪の記憶」の映画化、というよりも『故郷は緑なりき』(東映東京1961:村山新治)のリメイクである。『北国の街』の存在は知っていたが、『故郷は緑なりき』と同じ原作の映画化だったとは、つい最近まで知らなかった。大好きな作品をどんな風にアレンジしたかと思っていたら、今回の特集プログラムに入っていた。さっそく駆けつけた。
 結果は、満足。舟木一夫和泉雅子との目線のやり取り、たたずまい。それらのきめ細かい描写。親友となる山内賢、クラス担任の葉山良二、舟木の父親・信欣三、和泉の母親・東恵美子らの演技がふたりを盛りたてている。
 『故郷は緑なりき』との違いは、舟木が父親の病気で大学を一時あきらめて地元に残り、和泉が大学に合格して上京するという、男女が逆転することかな。
 3月20日封切なので、長野県ロケは1月か2月頃か。飯山線飯山駅と戸狩駅(現在は戸狩野沢温泉駅)が登場する。二人の高校が飯山駅にあり、舟木の家が北飯山か信濃平駅、和泉の家は戸狩駅という設定。雪のシーンや雪が溶けて道がぬかるんでいたりと、北国の雪景色がたっぷりと堪能できてうれしい。
 あわよくば、『故郷は緑なりき』と2本続けて見ようと思ったが、上映開始20分も前に完売。やむなく『北国の街』だけにしたが、それがよかった。比較対照することなく、ひとつの作品として見ることができて正解であった。