ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『沈まぬ太陽』(2009:若松節朗)

 ユナイテッド・シネマ豊洲スクリーン8にて『沈まぬ太陽』(2009:若松節朗)を見る。6ポイントにて無料、パンフレット600円。
 力作です。3時間22分、ダレることもなく、最後まで見せてくれます。渡辺謙、渾身の熱演です。
 しかし、大いなる感動はあまりありません。それは主人公の渡辺謙ひとりが目立ちすぎ、物語に膨らみがないからです。
 もっとわかりやすく言えば、悪役が弱すぎるということ。たとえば、三浦友和渡辺謙のライバルであるが、会社の悪の代表として、もっと悪人に徹しなければいけません。松雪泰子に「彼も悩んで苦しんでいるのよ」みたいなことを言わせてはいけません。
 さらには、柴俊夫や西村雅彦にいたっては小物過ぎます。政治家も加藤剛小林稔侍ではいい人すぎます。
 もっと大胆に悪の魅力を描いてこそ、正義派・渡辺謙がより光り輝くというものです。