フィルムセンターにて、『色ざんげ』(日活1956:阿部豊)を見る。「生誕百年 映画女優 田中絹代(2)」特集の1本、500円。
宇野千代原作ということで、田中絹代が主人公で男遍歴の話かと思いきや、違っていた。洋画家・森雅之の女遍歴のお話。田中絹代はバーのマダムで森の理解者として特別出演。
これがちっともおもしろくない。カットのつなぎは悪いし、陰々鬱々たる森雅之と感情表現に乏しい北原三枝との恋愛にはさっぱり感情移入できないし、盛り上がらないことおびただしい。
拾い物としては、森に憧れやがて結婚するとも子に扮した天路圭子。彼女がこんなにキラキラ輝いていた女優だったとは初めて知った。この作品だけに関しては、天路圭子が一番きれいである。
もうひとつ、ラブシーンでのソフトフォーカスを駆使してのクローズアップ。さすが、戦前のハリウッド仕込みのことだけはある、と阿部豊をちょいと見なおした。
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