ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『悪人』(2010:李相日)







 ユナイテッド・シネマ豊洲スクリーン8にて『悪人』(2010:李相日)を見る。1000円×2(夫婦50割)、パンフレット600円。
 満島ひかり岡田将生は、見栄っ張りで気の小さい小悪魔というか小悪党。わかりやすい人間である。
 娘を思う柄本明の心情は、痛いほどによくわかる。しかし、涙を誘われるほどの共感はわいてこない。あの娘だったら、殺されても仕方ないか、という思いがあるせいかもしれない。
 樹木希林、孫のためにもしっかりしなくちゃ、とばかりに松尾スズキのところに金を返してもらおうと乗り込んだまではいいのだが、、、。その帰り、自宅前でまたもや報道陣に囲まれると、何か一言吐き出すかと思いきや、ただ深々と頭を下げるのみ。自分の力の無さを思い知らされたせいかも知れず、あるいは一言返せば、それ以上の反撃が来るとわかったのかもしれない。
 深津絵里、地方都市で30代独身女性が暮らしていく孤独感が全身からにじみ出ている。モントリオールでの女優賞も当然である。
 妻夫木聡、むずかしい役柄をよく演じている。しかし、その心情はいまひとつ伝わってこない。その一因は、李相日監督が断定する描き方ではなく、見る人に想像する余地を残した結果かもしれない。私にとっては、なんともすっきりしない印象が残った作品であった。

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