ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『七瀬ふたたび』(2010:小中和哉)





 シアターN渋谷スクリーン2にて、『七瀬ふたたび』(2010:小中和哉)を見る。1000円(水曜日割引)、パンフレット700円。
 筒井康隆作品は、当時付き合っていた彼女の影響で読むようになった。なかでも、この「七瀬シリーズ」は一番のお気に入りとなり、新刊の「エディプスの恋人」を彼女にプレゼントした記憶があるくらいである。
 テレビドラマ化は何度かされているが、一度も見ていない。今回の映画化で、「七瀬ふたたび」を初めて視覚的に捉えることができ、こんなに奥深いテーマを描いていたのか、と再認識した。
 そういう意味では、原作のテーマをしっかりと受け継ぎ、手作り的特撮を巧みに駆使しての小中和哉監督の映画化は大成功といえる。
 七瀬に扮した芦名星の常に憂いを含んだ物静かなたたずまいが、実にいい。その彼女が敵に立ち向かう時は、「殺して!」とダンテ・カーヴァーに非情なまでに命令する意志の強さはすばらしい。
 超能力を生まれながらに身につけ、常に差別され続けてきた彼ら彼女らの、自分の存在意義を自問自答する姿は、現代の普遍的テーマでもあり、それをしっかりと描き込んでいる本作は、すばらしい出来である。


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