九段会館の試写会にて『ふたたび swing me again』(2010:塩屋俊)を見る。
ジャズ映画であり、ロードムービーであり、友情物語であり、親子の和解の映画であり、ハンセン病問題を訴えかける作品でもある。それぞれがほど良く融合して、見ごたえあるすばらしい作品に仕上がっている。
50年間世間から隔離された財津一郎の演技が絶品である。頑なに心を閉ざしている彼が、バンド仲間(犬塚弘や佐川満男)に再開した時の至福の笑顔、それを見ただけでも心豊かになれる。
クライマックスのジャムセッションでは、犬塚弘以外はスティックを握ったこともない佐川満男をはじめとしてみんなさまになっている。ここでも財津一郎のトランペッターのなりきりぶりが光る。
孫に扮した鈴木亮平が『シュアリー・サムデイ』(2010:小栗旬)とはみちがえるような演技で実にいい。東京外国語大学出身で英語はもちろんドイツ語も話せるようなので、ぜひとも海外でも活躍できる俳優になってほしい。
ラスト、わが子を抱かせてもらえなかった亡き妻の分も含めて息子・陣内孝則としっかり抱擁する財津一郎。涙が止めどもなく流れる名シーンである。『祝辞』(松竹1985:栗山富夫)以来、久々の主演男優賞は確定だ!
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