ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『女めくら物語』(大映東京1965:島耕二)

 『女めくら物語』(大映東京1965:島耕二)をラピュタ阿佐ヶ谷にて見る。800円(会員)。
 「現代文学栄華館 -昭和の流行作家たち-」の一本。舟橋聖一原作「女めくら双紙」の映画化。タイトルに不適切用語が使われているため、いつ頃からか、全く上映されなくなってしまった作品。
 マッサージ師の若尾文子が神楽坂花街界隈を、笛を吹きながら杖をついて歩く姿は、さながら女座頭市を思わせる。企画自体が勝新太郎の『座頭市』シリーズの現代版を狙ったのかもしれない。
 製作が後になるが、江波杏子主演の『女の賭場』(1966:田中重雄)も、当初は若尾文子主演でクランクインするはずだった。直前になり、若尾の病気降板で、江波杏子主演となった。もし、若尾主演の『女の賭場』が好評だったら、『女めくら物語』と『女賭博師』シリーズが合体した『女座頭市』の誕生があり得たかもしれない。
 と、まあ、たらればの妄想はつきない。さて、肝心の作品内容である。娯楽映画のベテラン職人監督となった島耕二。可もなく不可もなく、若尾文子をそこそこに美しく見せ、宇津井健との恋愛もそこそこに感情移入できるように仕上げている。
 すべてがそこそこで、だからこそタイトルのせいばかりではなく、今までまるっきり上映されることもなかったのか。ラピュタ阿佐ヶ谷が初公開かのようなニュープリント状態をなるほどと納得しつつもほんの少し悲しかった。
 
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