ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち』(2012:若松孝二)




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 1970年11月25日の三島由紀夫自決を知ったのは、高校3年の世界史授業の冒頭であった。ドアを開けて世界史の先生が入るなり、「今、テレビでやっていたけど、三島由紀夫が市ヶ谷の自衛隊に押し入り、自決した」とニコニコしながら話した。クラス中が、「ヤッター!」とばかりに歓声が沸きあがった。(あのバカが、ついにやったか、、、)という雰囲気であった。当時は、左翼であらざれば人にあらず、みたいな状況だったので、クラスの大半が三島由紀夫の「盾の会」などの一連の行動には否定的だったからだ。
 そんなことを思い出しながらの本作、当時の雰囲気を出演者たちがよく出している。製作費がほとんどないこともあり、セットやら小道具にはほとんど気を使わず、役者そのものの演技だけでグギグイ押していくいつもの演出スタイル。その監督の意図を、力強く体現している俳優陣。
 特に、森田必勝<まさかつ>に扮した満島真之介は、映画初出演にもかかわらず森田必勝そのものかと思うくらいの熱演である。NHK連続テレビ小説梅ちゃん先生」(2012)ではインターンとして帝都大学病院で働く山倉真一に扮しているが、彼こそ今年の新人賞候補ナンバー1確定。
 三島由紀夫に扮した井浦新も力演である。実際の三島とは全然似てもいないが、身体全体で表現している精神的なものは新流の三島由紀夫を作り上げている。
 ともあれ、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程<みち>』(2008)、『キャタピラー』(2010)、『海燕ホテル・ブルー』(2012)に続く『11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち』も力作であった。

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