ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『流離の岸』(日活1956:新藤兼人)

 フィルムセンターにて 、『流離の岸』(日活1956:新藤兼人)を見る。「よみがえる日本映画 vol.5 日活篇 ー映画保存のための特別事業費による」特集の1本。500円。
 乙羽信子北原三枝、親子二代に渡る男運のなさを描いた作品。手馴れた監督なら、起伏のあるメロドラマとして楽しめるのだが、娯楽映画監督としては、からきしだめな新藤兼人さん、あんまりおもしろくない。
 北原三枝三國連太郎の恋愛が、ちっともかがやいて見えない。後で、その裏があることがわかるのだが、それにしても、一目惚れという瞬間のワクワクとしたキラメキを描ききらないと、後半の展開が、生きてこない。
 脚本家として、数多くのおもしろい作品を提供し続けた新藤兼人さん、日活での3作品を監督して、娯楽映画は得意ではないと気づいて、以後は自分の描きたい「生と性」をテーマとした作品のみを監督することになるのであった。
 北原三枝の幼少時代を演じた二木てるみ、この作品でも素朴なたたずまいで好演。みどころは、彼女の母親を思うはかなげな姿かな。

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