ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『凶悪』(2013:白石和彌)




 『凶悪』(2013:白石和彌)をユナイテッド・シネマ豊洲スクリーン11にて見る。1000円、パンフレット700円。
 これはおもしろい。
 お話は、暗く、陰惨で、見た後の爽快感もなく、何ともやるせなくなってしまう。
 でも、見ている間は、画面にグイグイ引き込まれていき、自分が雑誌記者・藤井(山田孝之)になったのか、凶悪なヤクザ・須藤(ピエール瀧)や先生(リリー・フランキー)の側に立っているのか、わからないくらいの高揚感を感じてしまった。
 また一方では、認知症の母(吉村実子)の介護を妻(池脇千鶴)にまかせっきりにして、何日も家に戻らず取材にのめり込んでいく藤井の行動を、「何やってんだ! 死んだ赤の他人のことより、自分の家族のことを考えろ!」と怒鳴りつけてやりたい自分もいる。
 そんなこんなの錯綜した気持ちを持ちながら、監督の演出力に舌を巻きつつ、極上のエンターテインメント作品を楽しんでしまったことに、やや茫然としている。

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