ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常』(2014:矢口史靖)

 『WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常』(2014:矢口史靖)をユナイテッド・シネマ豊洲スクリーン3にて見る。1000円、パンフレット620円。
 前作『ロボジー』(2012)では主人公が誰だかあいまいであまりおもしろくなかった。今回は、平野勇気(染谷将太)という愉快な主人公を得て段違いにおもしろかった。
 大学受験に失敗した染谷将太は、たまたま見たパンフレットの美女に魅せられて、林業でもやってみるか、という軽いノリで、山奥の超田舎・神去(かみさり)村に、たどり着く。
 発端は不純ではあるが、林業研修生が次第にたくましい山の男に成長していく姿を、笑いを散りばめながらていねいに描きこんでいて、一級品のエンターテイメントに仕上がっている。
 今まで、ちょっとくせのある暗めの役柄が多かった染谷将太、この作品ではごく普通の若者を明るく楽しく演じていて、新境地を開拓したようで、今後の作品の幅が開けること、期待大。
 パンフレット美女・石井直紀に扮した長澤まさみ、マドンナとして魅力充分。惜しむらくはややエロスが不足ぎみ。それは次の作品への課題としておこう。
 今までの矢口史靖作品ではあまり登場しなかったセックスの問題、伊藤英明・優香夫妻の子作りとして堂々と描きこんでいる。それは100年後の林業を見据えた大事な作業でもあり、生活感あふれる行為でもある。これらの描写が作品に奥行を与えていると同時に、矢口史靖の成長でもあり、今後の作品世界の拡がりを予感させてうれしい。

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