ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『ぼくたちの家族』(2014:石井裕也)




 『ぼくたちの家族』(2014:石井裕也)をユナイテッド・シネマ豊洲スクリーン4にて見る。1000円、パンフレット720円。
 会社経営と家のローンで多額の借金がある父親・克明(長塚京三)。サラ金8社から総額300万円も借りまくっていた母親・玲子(原田美枝子)。中学時代に引きこもりの過去がある長男・浩介(妻夫木聡)。留年してお気楽な大学生の次男・俊平(池松壮亮)。
 そんな誰一人愛着の持てない人物たちが構成する家族。それが、母親の余命1週間と宣告された時からスタートする男たち3人の悪あがき。最初は、バブル景気のいい思い出に縋り付いていた天罰だ、とばかりに冷ややかに見ていたが、しだいに男たちの本気度が伝わってきて、最後は静かなる感動に包まれて、大満足であった。
 まずは、長塚京三、ダメな父親をちょっとお茶目に演じていて、最後はエールを贈りたくなるようなすばらしい演技である。そして、母親の原田美枝子にいたっては、天真爛漫、少女のような愛らしさで、魅力爆発。普通の人を演じさせたらピカ一の妻夫木聡、今回はちょっと暗めながらも、静かなる闘志を全身にみなぎらせて好演。最近は暗い役柄が続く池松壮亮、この作品では逆に脳天気なほど明るい、家族のムードメーカー的役回りで、新しい面を見せてくれ、一番の収穫かもしれない。
 救世主となる鶴見辰吾板谷由夏、この二人、役得とは言え、頼もしいお医者さんでした。このふたり、ひょっとして夫婦かな?
 割を食ったのが、最初の担当医・大鷹明良。仕事に忠実ではあるが、もうひとつ患者に対する踏み込み不足。そんな憎まれ役をさりげなく演じていてうまい。
 そして、最後に、浩介の妻・深雪に扮した黒川芽以。最初は浩介の家族に距離を置いていたが、義父との喫茶店での会話により、お互いにの心が通いあう。このシーンはすばらしい。涙なくしては見られない!

にほんブログ村」に参加しています。応援クリックお願いします。
[https://movie.blogmura.com/movie_japanese/ にほんブログ村 映画ブログ 日本映画(邦画)]
[https://movie.blogmura.com/movie_director/ にほんブログ村 映画ブログ 映画監督・映画俳優]