ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『春を背負って』(2014:木村大作)






 『春を背負って』(2014:木村大作)をユナイテッド・シネマ豊洲スクリーン8にて見る。6ポイント無料、パンフレット720円。
 勝った負けたのマネートレーダー生活に虚しさを感じていたいた長嶺亨(松山ケンイチ)。3015メートルの大汝山(おおなんじやま)山頂にある山小屋を営んでいた父親・勇夫(小林薫)の死後、山小屋“菫<すみれ>小屋”の主人となる。
 彼を手伝うのが料理が得意な高澤愛(蒼井優)、そして世界中を放浪してきたゴロさんこと多田悟郎(豊川悦司)が加わる。
 この菫小屋を支えるのが、麓で民宿“ながみね”を営む母親・長嶺菫(檀ふみ)、亨の幼なじみである家具職人・中川聡史(新井浩文)、山岳警備隊隊長・工藤肇(吉田栄作)、診療所の医師・野沢久雄(石橋蓮司)たち。
 過酷ではあるけど美しい大自然を背景に、彼らが繰り広げる心暖まるホームドラマである。
 木村大作監督の前作『剱岳 点の記』(2009)は、あまりにも力が入りすぎて、明治の人は偉かったなあ、という感想でしかなかった。
 今回は、厳しい大自然という舞台は同じでも、そこでのドラマは現代ということもあるが、より身近に共感でき、自然に感動し涙が止まらない。木村大作、2作目にして一流監督の仲間入りである。
 なかでも、蒼井優が抜群にいい。大きな口をあけて高らかに笑う彼女を見たのはいつ以来だろうか。『フラガール』(2006)でも見なかったような気がする。また、山小屋で松山ケンイチ豊川悦司を相手に自分の過去を語るシーンは、出色の演技で大感動ものであった。
 今年の主演女優賞レースは、池脇千鶴そこのみにて光輝く』(呉美保)と宮沢りえ『紙の月』(吉田大八)のリハウスガール出身の一騎打ちかと思ったが、ここにきて蒼井優がトップに躍り出てきた。年末の賞レースが楽しみだ!

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