ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『百日紅 Miss HOKUSAI』(2015:原恵一)

 アニメ『百日紅 Miss HOKUSAI』(2015:原恵一)をTOHOシネマズ日本橋スクリーン6にて見る。1100円。
 原恵一のアニメ作品は、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』(2001)、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』(2002)、『河童のクゥと夏休み』(2007)、『カラフル』(2010)、と見てきた。そして初めての実写作品『はじまりのみち』でもその丁寧な演出ぶりを堪能した。
 今回はまたアニメに戻り、その絵作りがスケールアップしている。両国橋を行き交う江戸の人々、周りの風景、細部にまでこだわった丁寧さ。あるいは北斎の仕事場の乱雑さ、絵描き作業の緻密さ。今一つ自分らしい絵が描けないお栄の葛藤、妹の死、淡い恋心、それらが淡々と描きこまれている。江戸の人々の奥ゆきあふれるささやかな幸せぶりを、充分に堪能した。
 声優陣も杏はピッタリはまり役。松重豊は出番は少ないが、どっしりとした声で気まぐれな天才ぶりをよく演じている。濱田岳は声だけでもすぐ彼とわかるぐらい、この作品でも大活躍。ただ、高良健吾はもっと弾けてもよかったのでは。イマイチおとなしすぎる。最近の不振ぶりが声にも出ているようだ。美保純、麻生久美子の女優陣は抑えた声質でいい。そして子役の清水詩音がアクセントとして効いている。
 アニメの豊かな世界を充分に味わえる作品、お薦めです。
5月15日(金)鑑賞
      キャスト
杏        お栄(鉄蔵の娘で浮世絵師)
松重  豊    鉄蔵=葛飾北斎(天才浮世絵師)
濱田  岳    池田善次郎=渓斎英泉(北斎の弟子)
高良 健吾    歌川国直(歌川門下だが北斎宅に出入りする)
美保  純    こと(お栄とお猶の母、鉄蔵の後妻)
清水 詩音    お猶<おなお>(お栄の妹、生まれつきの盲目)
筒井 道隆    岩窪初五郎=魚屋北渓<ととやほっけい>(魚屋出身で北斎の弟子)
麻生久美子    小夜衣(首が伸びると噂になっている花魁)
立川 談春    萬字堂(北斎に仕事の斡旋をしている地本問屋=浮世絵の版元)
入野 自由    吉弥
矢島 晶子    茶屋の子ども
藤原 啓治    使いの武士/鳥売り
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