ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『日本のいちばん長い日』(2015:原田眞人)








 『日本のいちばん長い日』(2015:原田眞人)をユナイテッド・シネマ豊洲スクリーン2にて見る。1000円。
 いつもの原田節で、複数のカメラを駆使しての躍動感あふれるドキュメントドラマを期待したが、、、。あまり躍動もせず、内閣と陸軍内部のあたふたぶりを愛情たっぷりに描いたタイトルにはまるで似つかわしくない作品であった。『昭和天皇と阿南陸相』という題名が一番合っている。
 すでにお亡くなりになった昭和天皇なので、このような形で、映画に登場して人間的な面を演じることには、積極的に評価したい。
 マイナス要素は、内閣のあたふたぶりへの無批判、そして阿南陸相の人間的すばらしさを強調した演出。まるで、戦争終結は、昭和天皇の聖断と阿南陸相の腹芸によって陸軍を抑え込んだためである、と言っているかのごとく。
 岡本喜八版との比較を言い出したらキリがないので、それはやめよう。
 しかし、もう少し庶民はその時、どうしていたか、ぐらい描きこんでもよかったのでは。今回は女性が多く出てきた、家庭もしっかり描いている、と評価する方もいるが、それらはすべて特権階級の人々のみ。取って付けたようにNHK技術職員として戸田恵梨香を登場させていたが、これだって庶民ではなく、選ばれ女性という立場だと思う。
 残念無念。
8月8日(土)鑑賞
      キャスト
役所 広司     阿南惟幾(陸軍大臣)
本木 雅弘     昭和天皇
山崎  努     鈴木貫太郎(首相)
堤  真一     迫水久常(内閣書記官長)
松坂 桃李     畑中健二(陸軍少佐)
宮中
池坊 由紀     香淳皇后
矢島 健一     木戸幸一(内大臣)
金内喜久夫     平沼騏一郎(枢密院議長)
麿  赤兒     藤田尚徳(侍従長)
茂山  茂     入江相政(侍従)
大藏 基誠     徳川義寛(侍従)
植本  潤     三井安彌(侍従)
松嶋 亮太     戸田康英(侍従)
岩寺 真志     永積寅彦(侍従)
中村 靖日     岡部長章(侍従)
山田 啓二     侍従
姉川新之輔     蓮沼蕃(侍従武官長)
宮本 裕子     保科武子(女官長)
内閣
中村 育二     米内光政(海軍大臣)
近童 弐吉     東郷茂徳(外務大臣)
山路 和弘     安井藤治(国務大臣)
鴨川てんし     左近司政三(国務大臣)
久保 酎吉     下村宏(情報局総裁)
長澤壮太郎     松本俊一(外務事務次官)
陸軍
井之上隆志     梅津美治郎(陸軍参謀総長)
木場 勝己     田中静壹(東部軍管区司令官)
奥田 達士     高島辰彦(東部軍管区参謀長)
高橋耕次郎     森赳(近衛師団長)
安藤 彰則     芳賀豊次郎(近衛師団第二連隊長)
中嶋しゅう     東条英機(陸軍大将、元首相)
川中健次郎     杉山元(元帥、前陸軍大臣)
桂  憲一     吉積正雄(軍務局長)
松山ケンイチ    佐々木武雄(横浜警備隊長)
   (特別出演)
田中 美央     荒尾興功(陸軍大佐)
大場 泰正     井田正孝(陸軍中佐)
関口 晴雄     竹下正彦(陸軍中佐、阿南陸軍大臣の義弟)
田島 俊弥     椎崎二郎(陸軍中佐)
谷部 央年     古賀秀正(陸軍少佐)
戸塚 祥太     藤井正美(陸軍士官学校附属大尉)
   (A.B.C-Z)
海軍
井上  肇     豊田副武(海軍軍令部総長)
嵐 芳三郎     大西瀧治郎(海軍軍令部次長)
吉澤  健     岡田啓介(海軍大将、元首相)
阿南家
神野 三鈴     阿南綾子(阿南陸軍大臣の妻)
蓮佛美沙子     阿南喜美子(阿南陸軍大臣の次女)
三船 力也     阿南帷晟(阿南陸軍大臣の次男)
稲田 都亜     阿南帷道(阿南陸軍大臣の五男)
渡辺  大     秋富(阿南喜美子の婚約者)
鈴木家
西山 知佐     鈴木たか(鈴木首相夫人)
小松 和重     鈴木一(首相秘書官、鈴木首相の長男)
小野愛寿香     鈴木布美(一の妻)
福本 清三     鈴木孝雄(鈴木首相の弟)
NHK
野間口 徹     館野守男(NHK放送員)
戸田恵梨香     保木令子(NHK放送局員)
   (特別出演)
その他
キムラ緑子     絹子(陸軍大臣官邸の女中)
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