ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『路傍の石』(日活多摩川1938:田坂具隆)

 『路傍の石』(日活多摩川1938:田坂具隆)を 国立映画アーカイブ(旧名称:フィルムセンター)長瀬記念ホール OZUにて見る。310円。

 

 貧しい家の少年の逞しい成長を描いた山本有三の名作の映画化。故郷から東京に出てきた主人公の吾一(片山)が、下宿先から出ていく決心をするところまでが描かれる。ランプの火屋(ガラスの筒)を磨くというこの時代ならではの行為が、物語上重要なものとして活用されている。(NFAJパンフより)
※開始から約98分の箇所で、フィルム焼き付け時のミスにより、2分弱にわたってフレームがずれています。どうぞご了承ください。(NFAJウェブサイトより)

 

 3~4回目の鑑賞かな。誠実の神さま・田坂具隆監督が愛川吾一少年に寄り添った丁寧な演出で、大いに感情移入できて、大好きな作品である。
 片山明彦は大人になった戦後、屈折した役柄が多く、脇役としてそこそこ活躍。鉄橋にぶら下がることをけしかけるさきちゃんに扮した飛田喜佐雄はこの時代の日活多摩川作品の常連子役で、戦後はそのまま大映で脇役として大映倒産まで所属していた。
 下記の出演者で唯一現役俳優は星美千子→星美智子(1927年1月20日生まれ)だけ。






2018年8月15日(水)

 

       スタッフ
監督         田坂 具隆
脚本         荒牧 芳郎
改編         高重屋四郎(田坂具隆ペンネーム)
原作         山本 有三
撮影         伊佐山三郎、碧川道夫、永塚一榮
音楽         中川 榮三
美術(装置)      松山  崇
録音         平林龍雄、米津次男
照明         久保田行一
編集         相良  久
考証         森永健次郎
助撮影        瀧花一、峯茂純
助監督        小西達三、蕪木淳



       キャスト
片山 明彦     愛川吾一
山本礼三郎     愛川庄吾
滝花 久子     愛川おれん
井染 四郎     稲葉屋書店・黒子泰吉
吉田 一子     おせい(泰吉の母)
小杉  勇     次野立夫(小学校の先生)
吉井 莞象     伊勢屋主人・喜兵衛
見明凡太郎     番頭・忠助
三井智恵子     女房お絲
三島 鉄男     福谷麻太郎(伊勢屋の息子)
星 美千子     おぬい(その妹)
上代 勇吉     染物屋京屋
井上 敏正     仕立屋河銀
尾崎  輔     番頭
伊達  満     鏡造の父
西  春彦     駅長
鈴木三右衛門    巡査
藤村 昌子     近所のお内儀さん
須田 大三     栗村鏡造(きょうちゃん)
飛田喜佐雄     山田咲二(さきちゃん)
青木 虎夫     少年勝ちゃん
ドングリ坊や    少年虎ちゃん
沢村 貞子     久美田住江(庄吾の愛人)
松平富美子     久美田加津子(住江の妹)
潮 万太郎     医師書生・梅原一郎(住江の下宿人)
江川宇禮雄     画書生・熊方信義(住江の下宿人)

130分・35mm・白黒


公開は、
1938.09.21 富士館
14巻 3,586m 131分 白黒