ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『新雪』(大映東京1942:五所平之助)

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 『新雪』(大映東京1942:五所平之助)を、国立映画アーカイブ(旧名称:フィルムセンター)長瀬記念ホール OZUにて見る。6月29日から始まった「逝ける映画人を偲んで2017ー2018」特集の1本。310円。初見。

 主演の月丘夢路を偲んで、、、。
 ネガプリントもポジも残ってないとされていたが、1996年に東京国立近代美術館フィルムセンターがロシアのゴスフィルモフォンド(ロシア国立映画保存所)を現地調査した際に オリジナル124分のうち84分が発見された。
 あちこち、かなりとんでいて、音声が聞き取れない部分もあるが、大まかのストーリーは充分にわかる。
 国民学校の訓導(先生)である蓑和田は独自の教育理念を持っていた。蓑和田の隣組である・控えめな湯川保子は彼に想いを寄せていて、同じく隣組の勝ち気な女医の千代も彼に惹かれている。町の世話役かつ学校の父兄である徳井が蓑和田と千代との結婚話を勧める。保子は父の弟子との結婚を決意。そんな折、蓑和田は教育召集(3ヶ月)を受けることになり…。


 1942年10月1日公開で、国民学校の教育内容には戦時色濃厚である。しかし、我が子の「修身」の評価がどうして「優」から「良」に下がったんだ、怒鳴り込んでくる父親に対しての簑和田先生の態度。あるいは、学級の保護者会での自分の教育方針を信念をもって、堂々と説明する態度。今見ても、充分に納得できる描写である。学校教育研修で上映してほしいくらいである。
 それはともかく、検閲がかなりきびしい状況のなかで、セリフではなく、登場人物たちのさりげない表情や、それらを巧みに映像で、恋愛感情に高めていくテクニックは、さすが五所平之助、うますぎる。
 ラスト、簑和田から千代への手紙「帰ったら、重大なお話があります」。歓喜の表情で美しさに満ち溢れる月丘夢路
 1942年は、女医さんという設定なのか、まだスカート姿が許されていたようだ。

84分

2019年7月2日(火)鑑賞

   キャスト
水島道太郎     蓑和田良太(国民学校5年の先生)
月丘 夢路     片山千代(眼科医)
美鳩 まり     湯川保子(言語学者助手)
高山徳右衛門    湯川丈亮(言語学者、保子の父)
井染 四郎     正木信夫(言語学者、湯川の弟子)
山口  勇     徳井金兵衛
浦辺 粂子     徳井の妻
見明凡太朗     隣組・食料品店主人
吉井 莞象     国民学校・校長
斎藤 紫香     国民学校・古井教頭
石黒 達也     国民学校・千葉訓導
上代 勇吉     国民学校・小久保
加原 武門     父兄会・退役軍人
小峰千代子     隣組・煙草屋のおばさん
光川 京子     隣組・仲居
文野 朋子     隣組・若い妻
  ?       片山千代の弟
近松 里子     
国分ミサオ     



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