ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『新しき土[日英版]』(1937:アーノルド・ファンク、伊丹万作)





 『新しき土[日英版]』(Dr. Arnold Fanck-Film=J.O.スタヂオ=東和商事G.K.1937:アーノルド・ファンク、伊丹万作)を、国立映画アーカイブ2F 長瀬記念ホールOZUにて見る。6月24日(金)から始まった「東宝の90年 モダンと革新の映画史(1)」の1本。310円。

新しき土[日英版]The New Earth(114分・35mm・白黒・英語部分の日本語字幕なし)
 日独親善の宣伝のために企画され、国際合作が行われた大作。欧州留学から帰国した輝雄(小杉)は日本的慣習に反発して婚約解消を言い出し、許婚の光子(原)は悲嘆にくれる。ファンクが監督するドイツ版と同時並行で、同じコンティニュイティ・俳優・スタッフを用いて伊丹万作が監督する日英版が撮影された。日英版は「西洋」対「日本」という対立構造を弱めるように構成されている。
*『かぐや姫』上映後、途中休憩あり
以上、国立映画アーカイブの解説より

 3~4回目。『ドイツ版』が2回、『日英版』も2回は見ている。
 それにしても、山岳映画しか撮ったことがないアーノルド・ファンクがなにゆえに監督に選ばれたのか。確かに山岳シーンは素晴らしい。でも、ストーリーに過度に挿入されまくって、冗長になっている。
 それに、光子の家の側に厳島神社があり、輝雄の出迎えに寝台車で横浜に向かう光子と父親、失意の光子が花嫁衣裳を持って和服で登る山が浅間山。いったい彼女の家はどこなんだ?
 ラスト、満州の大地で開拓民として働く二人と赤ん坊。この農民姿を撮るために、欧州留学のエリートには似つかわしくない小杉勇を起用したのか、と納得。
 小杉勇が乗るトラクターには「KOMATSU」のマーク。戦前から小松製作所はあったようだ。
小松製作所(1921~)は、1932年に国内初の農地開墾用のT25トラクタを開発・製造・販売している。画面に登場したのはこのトラクターかな?
2022年7月26日(火)鑑賞

     スタッフ
監督・脚色   アーノルド・ファンク
総指揮     アーノルド・ファンク
監督・脚色   伊丹 万作
撮 影     リヒャルト・アングスト
協同撮影    上田  勇
協同撮影    ワルター・リムル
音 楽     山田 耕筰
作 詞     北原 白秋
 〃      西條 八十
装置・美術   吉田 謙吉
録 音     中大路禎二
撮影助手    ハンス・シュタウデンガー
演出助手    ヘルバート・チャーデンス
進 行     カール・ブーフホルツ
編 集     アリス・ルードウィヒ
撮影協力    円谷 英二
公開年月日:1937.02.04(日英版)
公開年月日:1937.02.11(日独版)
上映時間:115分(日英版)
上映時間:106分(日独版)
製作会社:Dr. Arnold Fanck-Film
    =J.O.スタジオ=東和商事G.K.
配給:東和商事映画部

     キャスト
原  節子     大和光子
ルート・エベラー  ゲルダ・シュトルム(輝雄の恋人)
小杉  勇     大和輝雄(光子の許婚)
早川 雪州     大和巌(光子の実父、輝雄の養父)
市川 春代     神田日出子(輝雄の実妹)
高木 永二     神田耕作(輝雄の実父)
英 百合子     光子の乳母・お幾
中村 吉治     一環和尚
村田かな江     日出子の妹
常盤 操子     輝雄の実母
ヘルバート・チャーデンス
          ドイツ語教師


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