『破戒』(2022:前田和男)を、丸の内TOEI スクリーン2にて見る。1200円。
1948年の木下惠介監督・池部良・桂木洋子、1962年の市川崑監督・市川雷蔵・藤村志保、という2作品があるので、何をいまさらというのが見る前の第一印象だった。しかし、脇の出演者のメンバーを見て、これは案外腰を据えた力作だな、という感じがしてきた。
実際、見てみると、これが実にいい。まず、脇役陣の演技がうまい。私がしらないだけだが、宿の女将とか、勝野文平の友人二人とか、高柳が雇った壮士三人とか、小学生たちとか、しっかりとした演技、それをきちんと演出している監督。さすが1956年生まれのベテラン監督のなせる技である。
若手二人も、前作二組のコンビに決して負けていない。抑えた恋心の発露として、間宮祥太朗が「志保さん、志保、お志保さん、おしほ、、」と名前を静かに連呼するシーンなど、実にいい。その恋心を受けての石井杏奈も控えめながらもしっかりと受けとめている演技もすばらしい。
クライマックス、教壇から降りて、生徒たちに告白する。「あなたたちと一緒に学ぶことができなくなるのが、一番つらい。ほんとうに申し訳ない」と言いながら、感極まって膝が折れ、座り込み、こうべをたれる。結果的に土下座に近いかたち。これがいい。実に自然である。名シーンの誕生である。
ラスト、大八車に荷物を積んで、駅に向かう丑松。そこへ友人の土屋銀之助が志保を連れて現れる。志保も自らの意思で東京行きを主張する。そして子供たちの見送り。明るい未来を信じての旅立ち。信州の山々の緑が二人の門出を祝っていた。
2022年9月4日(日)鑑賞
スタッフ
監 督 前田 和男
脚 本 加藤 正人
〃 木田 紀生
原 作 島崎 藤村
エグゼクティブプロデューサー
西島 藤彦
製作統括 組坂 繁之
プロデューサー 中鉢 裕幸
〃 福島 宏樹
〃 加藤 和夫
〃 川崎 岳
撮 影 日下 誠
美 術 吉田 孝
装 飾 石村 嘉宏
電 飾 辻 俊安
持道具 吉田 憲司
音 楽 かみむら周平
音楽プロデューサー 津島 玄一
録 音 近藤 義兼
整 音 桜田 佳美
音響効果 田代 博司
照 明 東田 勇児
編 集 山口 健
衣 装 宿女 正太
メイク 広瀬紀代美
結 髪 松浦 真理
映 像 今西 貴充
和 楽 中本 敏弘
キャスティングプロデューサー
福岡 康裕
演技事務 猿田しほみ
製作主任 東浜 孝次
製作担当 芦田 淳也
チーフ助監督 六車 雅宜
スクリプター 永倉 美香
VFX 北 昌規
殺 陣 清家 一斗
宣伝プロデューサー 手嶋 亮介
公開年月日:2022.07.08
上映時間:119分
製作会社:全国水平社創立100周年記念映画製作委員会
企画:全国水平社創立100周年記念映画製作委員会
制作:東映株式会社
制作協力:東映ビデオ
制作プロダクション:東映株式会社京都撮影所
配給:東映ビデオ
キャスト
間宮祥太朗 瀬川丑松
石井 杏奈 志保(蓮華寺の養女、敬之進の実娘)
矢本 悠馬 土屋銀之助
高橋 和也 風間敬之進
小林 綾子 丸山千代(蓮華寺住職の奥様)
? 蓮華寺のお手伝い
七瀬 公 勝野文平(伯父が郡視学)
ウーイェイよしたか 蓮華寺の息子・庄太
大東 駿介 高柳利三郎(衆議院議員)
竹中 直人 蓮華寺の住職
本田博太郎 校長
田中 要次 瀬川の父
石橋 蓮司 資産家・大日向
眞島 秀和 猪子蓮太郎
? 市村弁護士(衆議院議員立候補者)
峰 蘭太郎 町長
? 町議会議長?
伊庭 剛 勝野郡視学
高島 和男 高柳が雇った壮士
西村 匡生 〃
? 〃
? 小学校で勝野文平の腰巾着
? 勝野文平の友人
? 〃
? 丑松が最初に下宿していた宿の女将
? 風間省吾(敬之進の次男、志保の弟)
? 優秀な生徒(大日向の孫)
颯真 茂一
石川 小梅 小学生(一番前で感情豊かに泣き出す)
谷川 生馬 小学生
田中 琉愛 小学生
森安 美月 小学生
川島 るり 小学生
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