ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『樋口一葉』(1939:並木鏡太郎)




 『樋口一葉』(東宝映画・東京1939:並木鏡太郎)を、国立映画アーカイブ(NFAJ)・小ホールにて見る。10月4日より始まった「東宝の90年 モダンと革新の映画史(2)」の1本。310円。再見。

 『樋口一葉』(83分・35mm・白黒)
 樋口一葉の半生を描いた伝記映画。師と慕う半井桃水(高田)との仲を裂かれた一葉(山田)は、老母と妹を養うため荒物屋をはじめる。一度は恋愛を棄てた一葉が、久しぶりに訪ねた桃水にはすでに将来を約束した女性の存在が…。明治ものを得意とした久保一雄が美術を担当し、荒物屋が営まれていた吉原の遊廓界隈を見事に再現した。
以上、NFAJの解説より。

 まず、解説の訂正、
「すでに将来を約束した女性の存在が…。」
これは、高田稔が山田五十鈴に「妻」です、と紹介しているので、婚約者というレベルではなく、入籍したかどうかはおくとして、内縁の妻以上には違いない。

 樋口一葉といえば、『にごりえ』(1953:今井正)や『たけくらべ』(1955:五所平之助)の原作者としてなじみがある。特に『たけくらべ』の世界は、この『樋口一葉』(1939:並木鏡太郎)で描かれている世界とよく似ている。
 まず、脚本・八住利雄と美術・久保一雄が同じ。これは決定的な要因。次に吉原遊女の卵・みどりが出てくる。三五郎や長吉も出ている。
 そして、山田五十鈴が『たけくらべ』では筆屋という荒物屋の主人お吉に扮していて昔は吉原で鳴らした遊女だったという役回り。この出演は、『樋口一葉』で主演したという前提のキャスティングだったのだろうか。あるいは、脚本・八住利雄の当て書きかな、、、。ちょっと興味ある事案ではある。
2022年10月6日(木)鑑賞

     スタッフ
演 出      並木鏡太郎
脚 本      八住 利雄
製 作      竹井  諒
撮 影      町井 春美
照 明      佐藤 快哉
装 置      久保 一雄
音 楽      菅原 明朗
考 証      長谷川時雨
製作主任     佐伯  清
録 音      下永  尚
編 集      後藤 敏男
演奏:P・C・L管弦楽団
参考文献:「近世日本美人伝」(長谷川時雨)
     「樋口一葉」(邦枝完二)
     「たけくらべ」「にごりえ」「おほつごもり」「十三夜」(樋口一葉)
     日記及書簡文より参照
公開年月日:1939.05.31
白黒/スタンダード
上映時間:83分
製作:東宝映画・東京
配給:東宝映画

     キャスト
山田五十鈴    樋口夏子(一葉)
高峰 秀子    みどり
堤 眞佐子    夏子の妹・くに子
椿  澄枝    お柳の妹・お菊
英 百合子    中島歌子(和歌塾の先生)
清川 虹子    矢場の女・お辰
沢村 貞子    お柳(流しの三味線弾き)
水町 庸子    夏子・くに子の母親
宮野 照子    おせき(金持ちと結婚)
渋谷 正代    中島塾生・野々村さく子
音羽久米子    矢場の女・お富
加藤 欣子    矢場の女・お高
一の瀬綾子    桃水の妻
三浦矢柄子    塾生・雪子
香川 澄子    塾生・澄子
中村 正子    塾生
江島 瑠実    塾生
伊村利江子    塾生
高田  稔    半井桃水(新聞小説作家)
北沢  彪    石之助(田島屋の若旦那)
佐山  亮    録之助(おせきの幼なじみ)
大川平八郎    馬場孤村(一葉の文学仲間)
河村 弘二    戸川明水(一葉の文学仲間)
嵯峨 善兵    車夫・秀公
野村 秋生    三五郎
藤輪 欣司    三五郎の父親
深見 泰三    田島屋番頭・善七
大村 千吉    長吉(三五郎をいじめる)
小島 一美    由公
中村 英雄    田島屋の丁稚・太吉
佐海 直人    酒屋の吉公
中川 弁公    車夫・吉
小森  敏    車夫・徳
山形 凡平    車夫・芳
小島 洋々    医師
榊田 敬治    佐藤
生方賢一郎    おせきの父親


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