『愛の亡霊』(1978：大島渚)

以上、『愛の亡霊』(1978：大島渚)より

　『愛の亡霊』(1978：大島渚)を、国立映画アーカイブ小ホールにて見る。４月11日(火)から始まった「没後10年　映画監督大島渚」の１本。310円。

愛の亡霊(107分・35mm・カラー・仏語字幕付 with French subtitles)
　『愛のコリーダ』に続きフランス資本で製作され、カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した。明治中期、人力車夫の妻(吉行)は若い農夫(藤)との情交に溺れ、共謀して夫を殺害。しかし、２人は夫の亡霊に苛まれ、やがて破滅へと向かっていく。撮影に名手・宮島義勇を迎え、幻想的な画面を構築。それまで大島作品に批判的だった映画評論家の淀川長治からも作家としての成熟ぶりを絶賛された。
以上、国立映画アーカイブの解説より

　初見は封切りではなく、1979年以降のいつかの時期、、。
　『愛のコリーダ』は藤竜也と松田英子の性愛のみの映画。それに比べれば、こちらは物語もあり、脇役もそれなりに活躍して楽しめる。
　この作品から助監督として参加した成田裕介さんによると、大島渚監督が東京のテレビ出演があり、毎週水曜日(？)が撮影休日だったそうな。また現場を仕切っていたのは、戸田重昌と宮島義勇とのこと。それだけ、美術と撮影はすばらしい。
　また、1935年８月生まれの吉行和子、撮影時は42歳。作品設定の年齢は40代半ば(兵隊帰りの豊次と26歳違い)、「娘っこみてい」と村人たちに言われている。ほんとにそのとおりで、オールヌードの美しさは、20代そのものだった。
2023年５月13日(土)鑑賞

　　　　　　　スタッフ
監　督　　　　　　　　大島　　渚
脚　本　　　　　　　　大島　　渚
脚　色　　　　　　　　大島　　渚
原　作　　　　　　　　中村　糸子
台　詞　　　　　　　　大島　　渚
製　作　　　　　　　　アナトール・ドーマン
　〃　　　　　　　　　若槻　　繁
撮　影　　　　　　　　宮島　義勇
美　術　　　　　　　　戸田　重昌
音　楽　　　　　　　　武満　　徹
録　音　　　　　　　　安田　哲男
照　明　　　　　　　　岡本　健一
編　集　　　　　　　　浦岡　敬一
スチル　　　　　　　　正田　雄三
製作協力　　　　　　　若松　孝二
製作担当　　　　　　　小笠原　清
製作主任　　　　　　　元持　昌之
製作進行　　　　　　　清水　一夫
撮影助手　　　　　　　竹内　幹男
　〃　　　　　　　　　山下　菊雄
　〃　　　　　　　　　中川　寿彦
照明助手　　　　　　　石原　喜三
　〃　　　　　　　　　松田　藤吉
　〃　　　　　　　　　北川　義男
美術担当　　　　　　　下石坂成典
装　飾　　　　　　　　荒川　　大
小道具　　　　　　　　神田　明良
美術助手　　　　　　　野尻　　均
装飾助手　　　　　　　岸本　健祐
録　音　　　　　　　　Alex L'runt
録音助手　　　　　　　木村　益夫
　〃　　　　　　　　　田辺　信通
衣　裳　　　　　　　　加藤　昌廣
美　粧　　　　　　　　竹村　幸二
特　機　　　　　　　　西村伊佐男
特　機　　　　　　　　藤本　　勉
助監督　　　　　　　　山崎　佑次
　〃　　　　　　　　　上野　　堯
　〃　　　　　　　　　中畑　来人
　〃　　　　　　　　　佐藤　静夫
　〃　　　　　　　　　成田　裕介
彫　塑　　　　　　　　大角　主計
スチル　　　　　　　　正田　雄三
合作調整　　　　　　　フランス映画社
公開年月日：1978.10.28
上映時間：107分
カラー／ビスタ／35mm
製作会社：アルゴス・フィルム＝大島渚プロダクション
配給：東宝東和

　　　　　　　キャスト
田村　高廣　　　　　　塚田儀三郎
吉行　和子　　　　　　塚田せき
長谷川真砂美　　　　　塚田しん
木村　竜也　　　　　　塚田伊七（二歳）
藤原　明良　　　　　　塚田伊七（五歳）
藤　　竜也　　　　　　田中豊次
杉浦　孝昭　　　　　　田中伝三(豊次の弟)
小山　明子　　　　　　西の家のお内儀
河原崎建三　　　　　　西の家の若旦那
伊佐山ひろ子　　　　　西の家の花嫁
佐藤　　慶　　　　　　西の家の婚礼の客
松井加容子　　　　　　西の家の手伝いの女房（一）
道井恵美子　　　　　　西の家の手伝いの女房（二）
新屋　英子　　　　　　西の家の手伝いの女房（三）
殿山　泰司　　　　　　ツン東
佐々木すみ江　　　　　おだめ(せきの隣家)
小林加奈枝　　　　　　おもよ
北村　英三　　　　　　山の店の親父(酒の量り売り)
山本　麟一　　　　　　倉造
三星　東美　　　　　　定一の女房
伊波　一夫　　　　　　村人
川谷　拓三　　　　　　堀田重五郎(巡査)
佐々木すみ江　　　　　語り
藤川　　準