ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『最後の忠臣蔵』(2010:杉田成道)




 ユナイテッド・シネマ豊洲スクリーン2にて『最後の忠臣蔵』(2010:杉田成道)を見る。会員6ポイントにて無料、パンフレット800円。
 『武士の家計簿』『ノルウェイの森』と駄作を2週連続見せられた後だけに、すばらしい作品にであえて感動いっぱいである。
 討ち入りが冒頭にあっての後日談なので、『桜田門外ノ変』(2010:佐藤純彌)の二の舞かと危惧したが、どうしてどうしてそんなことはない。
 桜庭ななみが登場してからは、涙流しっぱなしの感情移入しまくりで、すっかり「花嫁の父」になってしまった。役所広司が抑えた演技で微妙な心の機微を巧に演じ、佐藤浩市も生涯の友とはこうあるべきだというような演技でうまい。
 安田成美は生涯最高の演技かと思えるような抑えた中にも気品あふれる色気を醸し出している。
 桜庭ななみは、美しさの中に武家の娘としてのきりりとしたたたずまいを見せてくれ、大事に育てていけば大物女優になる器である。
 圧巻は、輿入れの駕籠に、次から次へと赤穂の旧家臣たちが加わり、豪勢な行列になったこと。これこそ映画的ダイナミズムである。締めは田中邦衛の登場で「北の国から」へのオマージュを捧げて、杉田成道最高作の完結である。

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