ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

原田美枝子トークショー


 1月19日~25日まで池袋・新文芸坐で開催している「原田美枝子映画祭」、21日のトークショーに参加した。過去、何回か入場出来なかった経験を踏まえて、上映開始9時50分の30分前に到着。余裕で前から2列目を確保。9時50分には満席。
 1本目は『大地の子守歌』(1976:増村保造)、もう何度も見ている作品。俳優を極限まで追い込む演出の凄さを堪能する。
 2本目は『青春の殺人者』(1976:長谷川和彦)、その凄惨な内容で嫌いな作品である。封切りから久しぶりの再見か三見かな。
 今回、あらためて見てみると、『大地の子守歌』の演技を経た原田美枝子とは思えないくらい、その演技が下手くそである。内田良平市原悦子の芸達者と比べるのは酷だが、水谷豊との相手役としても力不足は明らかである。
 さて、トークショーである。青と紫系統のシックな装いの原田美枝子さんの登場。毎日新聞学芸部記者で「俳優 原田美枝子 映画に生きて生かされて」(毎日新聞社刊)の著者である鈴木隆さんが聞き手。上映2作品について、黒澤明監督について、これから公開される作品について、といろいろ語ってくれた。
 映画人生での転機がいくつかあって、まず第一が増村保造監督との出会い。『大地の子守歌』の3ヶ月間はとにかく大変だった。ワンカット毎にテストを最低でも30回は繰り返す。そして本番テスト、それがダメな時はまたテストを繰り返す。なかなかフィルムを回してくれない。余分なものを削ぎ落とし、内面からあふれでたものを撮りきる。その執念に圧倒され、映画の魅力に取り込まれた。
 『青春の殺人者』は過酷な現場だった。演技はおまかせという感じ。演出スタイルの違いはあるとは言え、増村保造と比べるのは新人・長谷川和彦には酷と言えないでもない。
 第二の転機は、黒澤明監督との出会い。『乱』(1985:黒澤明)出演で多くのものを得た。
 第三は、出産を経験して、今まで自分中心の突っ張っていた映画人生から、まわりから生かされていると感じるようになった。そんな時に出演したのが、『絵の中のぼくの村』(1996:東陽一)。
 とまあ、いろんな話が聞けて、満足。終了後には本にサインもしてもらい、ニコニコ。
 
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