ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『ナラタージュ』(2017:行定勲)






 『ナラタージュ』(2017:行定勲)をTOHOシネマズ新宿スクリーン7にて見る。1100円。
 高校時代に孤独から救い出してくれた演劇部顧問教師へ抱いた特別な感情。それを忘れられない女子大生が、新たな恋に踏み出す中で苦悩を深め激しく揺れ動く姿を描いている。
 相手に対して誠実なゆえに恋愛に積極的になれない男と、そんなダメなずるい男とわかっていても忘れられない女、、、。二人の心の揺れ動きを、見事なくらい巧みに描き切っていて、行定勲の演出はまた一段とグレートアップしたようだ。
 その演出に答えるかのように、松本潤の抑えたたたずまいがいい。
 ヒロイン・有村架純は坂口健太郎松本潤、それぞれのベットシーンをこなしていて熱演。欲を言えば上下の下着姿ではなく、全裸の背中ぐらいは見せて欲しかった。でもNHK連続テレビ小説ひよっこ」との撮影時期が重なっていたであろうことを考えると、いたしかないか、、、。
 次は胸ぐらいはみせる必然性ある作品に挑戦してほしいものだ。
 その「ひよっこ」で共演した古舘佑太郎、こんな三枚目役もできるのかと、今後に期待がふくらむ。
 私のお気に入りの駒木根隆介、36歳にして高校生を演じるせいか、いつもよりも小柄で痩せて見えた。有村架純に自分よりも年上のOBかと思わせるシーンを用意して、ちょっと笑わせてくれる。
 いつもはちょっとしか出番がない大鷹明良、今回もワンシーンの登場ではあるが、松本潤の義理の父親として対峙する。娘・市川実日子の父親として誠実な態度で接し、クローズアップもあり、これほど大鷹明良の演技を堪能できる作品は初めてである。
 2014年のデビュー以来ジワジワと存在感を増している坂口健太郎、主演作もあるけど、今回も三番目の役どころ。なんかこのまま定位置になりそうな予感も、、、。もうひと踏ん張りが必要かな、、。

 お薦めの逸品です。

2017年10月8日(日)鑑賞。
      キャスト
松本  潤      葉山貴司(社会科教師、演劇部顧問)
有村 架純      工藤泉(高校生、大学2年、社会人)
坂口健太郎      小野怜二(泉が大学時代の恋人)
大西 礼芳      山田志緒(演劇部の仲間)
古舘佑太郎      塚本柚子(現在の演劇部ヒロイン)
金子 大地      新堂慶(現在の演劇部部員)
駒木根隆介      金田伊織(現在の演劇部部員)
市川実日子      葉山美雪(貴司の妻)
大鷹 明良      美雪の父親
  ?        小野の父親
  ?        小野の母親
瀬戸 康史      宮沢慶太(泉が勤める映画会社の同僚)