ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『逃げきれた夢』(2023:二ノ宮隆太郎)








以上、『逃げきれた夢』(2023:二ノ宮隆太郎)より


 『逃げきれた夢』(2023:二ノ宮隆太郎)を、新宿武蔵野館シアター3にて見る。1200円。
 男が、介護施設に愛想よく挨拶しながら入って来て受付を済ませ、別の職員に羊羹の手土産を渡す。そして、車椅子に座って外を眺めている老人の隣に椅子を持ってきて腰掛け、話しかける。どうやら男の父親らしい。老人はしゃべれないのか、認知が進んでいるか、相変わらず、前を向いたまま。男はにこやかに一方的に話すだけ。言いたいことをいって気が済んだのか、「また来るわ」と言って、施設を出る。このシーンは、ほぼ、ワンカット。
 シーン代わって、部屋から見た外の風景。カメラが引くと。男が朝起きた様子。台所へ行くと、若い娘がスマホをいじっている。「お母さんは?」「もう、とっくに仕事に行ったよ」。
 と、このように、少しづつ、男は何者で、家族構成、職場は、という風に、少しづつわからせる手法はなかなかいい。さらに、登場人物をとらえる独特の間が実にいい。あれ、このカット、1~2秒長い、というような、微妙な間がおもしろい。
 二ノ宮隆太郎が、北野武の後継者だという説も、あながち嘘でもなさそうだ。
 全編にわたり、光石研の肩の力を抜いた自然体の演技がさえわたり、実に面白かった。
2023年6月13日(火)鑑賞

       スタッフ
監督・脚本      二ノ宮隆太郎
製作総指揮      木下 直哉
プロデューサー    國實 瑞惠
 〃         関  友彦
 〃         鈴木 徳至
 〃         谷川由希子
撮 影        四宮 秀俊
美 術        福島奈央花
装 飾        遠藤 善人
音 楽        曽我部恵一
録 音        古谷 正志
照 明        高井 大樹
編 集        長瀬 万里
衣 装        宮本まさ江
ヘアメイク      吉村 英里
制作担当       飯塚 香織
助監督        平波  亘
公開年月日:2023.06.09
上映時間:96分
カラー/スタンダード/デジタル
製作会社:木下グループ
企画:鈍牛倶楽部
制作プロダクション:コギトワークス
配給:キノフィルムズ

       キャスト
光石  研      末永周平
吉本 実憂      平賀南(定食屋店員、周平の元生徒)
工藤  遥      末永由真(周平の娘)
杏花         佐藤悦子(生徒)
岡本  麗      料理屋の主人
光石 禎弘      末永の父親
  ?        校長
  ?        若手の先生(佐藤を心配している)
  ?        養護教師
  ?        高橋(生徒)
  ?        高橋の彼女(生徒)
坂井 真紀      末永彰子(周平の妻)
松重  豊      石田啓司(周平の小学校からの親友、バイク屋)


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