『高野豆腐店の春』(2023：三原光尋)を、シネスイッチ銀座スクリーン１にて見る。1200円。
こだわりの大豆からおいしい豆腐を作る父・辰雄と出戻ってその豆腐屋を手伝う看板娘・春、その春を再婚させようと世話を焼く辰雄の友人たち、舞台は尾道。『東京物語』などの小津安二郎の世界を連想させられる。
これが、現代的な味つけをほどこしている。頑固な父親に対して、こだわりの豆腐をもっと広めたいと東京進出やら洋食のレシピに使えないと研究するこだわりぶり。さらに父親みずから娘の再婚作戦に加わり、友人たちも大活躍。
この作品の最大の見どころは、辰雄と親しくなる中野ふみえとの交流である。同じ心臓疾患の病院で出会い、辰雄が納品している駅ナカで清掃人として働いている中野と出会う。その口調がいい。最初からため口でやや姉御肌。被爆者で独り身ながら、日々を楽しく過ごして前向き、実にいい。
藤竜也と麻生久美子、徳井優・菅原大吉・山田雅人・日向丈と徳井の妻役・竹内都子、映画初出演の桂やまと、みんな好演である。そして中村久美は彼女自身の生涯ベストといってもいい演技であった。
お薦めです。
2023年８月27日(日)鑑賞
スタッフ
監 督 三原 光尋
脚 本 三原 光尋
製 作 桝井 省志
〃 太田 和宏
プロデューサー 桝井 省志
〃 土本 貴生
〃 山川 雅彦
撮 影 鈴木周一郎
美 術 木谷 仙夫
音 楽 谷口 尚久
エンディングテーマ エディ 藩
録 音 郡 弘道
照 明 志村 昭裕
編 集 村上 雅樹
アシスタントプロデューサー
吉野 圭一
助監督 金子 功
〃 小村 孝裕
タイトルデザイン 赤松陽構造
公開年月日：2023.08.18
上映時間：120分
カラー／ビスタ／デジタル
製作会社：「高野豆腐店の春」製作委員会
企画・製作プロダクション：アルタミラピクチャーズ
配給：東京テアトル
キャスト
藤 竜也 高野辰雄(高野豆腐店の店主)
麻生久美子 春(辰雄の娘で豆腐店の看板娘)
柊 瑠美 高野久美(辰雄の亡き妻)
中村 久美 中野ふみえ(辰雄と親しくなる)
徳井 優 金森繁(理髪店店主)
菅原 大吉 鈴木一歩(定食屋の主人)
山田 雅人 横山健介(タクシー運転手)
日向 丈 山田寛太(英語学校の講師)
竹内 都子 金森早苗(繁の妻)
太田 美恵 鈴木由美子(一歩の娘)
桂 やまと 西田道夫(駅ナカのちんちくりん)
今里 真 有田陽一(道夫の上司)
黒河内りく 田代奈緒(演劇部の高校生・演出家の卵)
小林 且弥 村上ショーン(イタリアンのシェフ)
赤間麻里子 坂下美野里(ふみえの姪)
宮坂ひろし 坂下豪志(美野里の夫)
智順 辰雄の主治医
福原 美穂 看護師
橋本 美和 高田恵子(高野豆腐店の常連客)
Kristen Watts 外国人旅行客
Nihi 外国人旅行客
生津 徹 前田義明(ジムのインストラクター)
瓜生 和成 宮島修(大学の助教授)
田口 智也 中村慎也(経営コンサルタント)
守谷 周徒 辰雄が世話になる警官
酒田 速人 ソムリエ
酒井 貴浩 喧嘩する客
藤本 静 ふみえの同僚・多美子
高井 純子 ふみえの同僚
小林 千里 ふみえの同僚
大宅 聖奈 ストリートピアノを観覧する女子高生
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