ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『琴の爪』(東宝1957:堀川弘通)

 ラピュタ阿佐ヶ谷にて『「元禄忠臣蔵・大石最期の一日」より・琴の爪』(東宝1957:堀川弘通)を見る。
 いやあ、お見事というほかない。中編(53分)だが、今公開されたら、ベストワンになろうかという力作。
 中村扇雀が、水もしたたる美男子ぶりで、惚れ惚れしてしまう。扇千景が惚れるのも無理はない。さらに浮気されても黙認していたのは、惚れた弱みか。
 扇雀・千景が恋人同士となり、さらに中村鴈治郎がこの二人に絡む作品は、この『琴の爪』しかないのではなかろうか。扇千景が将来の舅・鴈治郎の膝の上で泣き崩れるんだから。うーん、なんと表現していいのやら。