ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『非情な銃弾』(日活1959:野口博志)

 ラピュタ阿佐ヶ谷にて『非情な銃弾』(日活1959:野口博志)を観る。
 小高雄二がクールな殺し屋に扮したアクションもの、57分の中編。
 冒頭、小高のサイレンサー銃に殺されるヤクザの親分に扮したのが金子信雄。一瞬誰かなと思うくらいで、ベッドで死体になったバストショットのみで確認。その後は回想シーンにさえ登場しない。
 宍戸錠も出てくる。こちらは回想シーン、小高の恋人・筑波久子とベッドインしているところを小高に殺される。何カットかあり、誰が見ても宍戸錠とわかる。けれどセリフなし。二人とも、これぞ友情出演という出方であった。
 小高に殺し屋から足を洗わせる気にさせた南風夕子がちょいといい。筑波久子と並んで肉体派女優という紹介のされかたが多いが、幸薄い女性という役回りもピッタリである。
 この作品、一番驚いたのが、バーテン・佐々木に扮した長弘(ちょう ひろし)の存在である。小高雄二とは幼なじみという設定で、実は麻薬ルートを探る潜入警察官。その彼が大活躍、ヤクザのボス・天草四郎の情婦・筑波久子(小高の恋人と二役)を改心させたり、身分がばれてリンチにあいそうになったり、最後は銃撃戦の末にヤクザどもを逮捕する。長弘、俳優人生の中でも、ベスト3に入る作品ではなかろうか。