ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『キサラギ』(2007:佐藤祐市)


 ユナイテッド・シネマ豊洲シアター1にて『キサラギ』(2007:佐藤祐市)を観る。
 5人の芸達者な男優たちの演技合戦が見もの、と期待したら、今までの彼らのキャリア以上のものは感じられず、安全パイの演技でガッカリ。脚本の面白さに、おんぶにだっこの演出不在のせいでしょう。
 女の子たちのカーリングを扱った『シムソンズ』(2006:佐藤祐市)と『素敵な夜、ボクにください』(2007:中原俊)を続けて観た私としては、演出の違いにややビックリ。『シムソンズ』を中原俊が監督していたならば、女の子たちをいきいきと描き、傑作青春映画が誕生しただろうに。
 同じく、密室劇『12人の優しい日本人』(1991:中原俊)で豊川悦司を一躍スターダムに押し上げた中原俊の演出力をもってすれば、『キサラギ』を傑作に仕上げるのもわけないことかも。
 全編、暗い内容で終始した『キサラギ』だが、唯一楽しめたところがラスト、如月ミキ・ライブイベントのビデオに合わせて、5人の男たちが歌い踊るシーンであった。映画のできを嘆きつつも、大いに笑ってしまった。