ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『かぞくのひけつ』(2007:小林聖太郎)




 ユーロスペース2のレイトにて『かぞくのひけつ』(2007:小林聖太郎)を見る。1200円(会員)。パンフ
 浮気癖が直らない父親・桂雀々、それに対していつもやきもちを焼いては癇癪を起こしている母親・秋野暢子。そのあいだに入って、「家族ってなんだろう、男と女の間柄ってなんだろう」と思い悩んでいる高校生・久野雅弘。『ごめん』(2002:富樫森)の小学生が順調に成長して、味のある高校生になった。
 桂雀々の実の息子ではないかと思うくらい似ている久野くん。決してイケメンではないが、幼なじみのガールフレンド・谷口美月との関係に悩み、童貞なのに性病にかかったと悩んだり、となかなかリアルでおもしろい。
 DV撮影なので、最初のうちはそれが気になるが、内容の面白さに引き込まれて、いつの間にか気にしなくなった。
 桂雀々の愛人を演じたちすんもいい。怪しげな漢方薬の主人を演じたテントは、抱腹絶倒の面白さ。みんな大阪出身で固めた役者たちのコンビネーションが実にいい。快作である。
 新人監督賞を受賞した小林聖太郎監督に、こんどは35ミリで撮らせてあげたい。