ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『西の魔女が死んだ』(2008:長崎俊一)

 ユナイテッド・シネマ豊洲12にて『西の魔女が死んだ』(2008:長崎俊一)を見る。6ポイントにて。パンフレット600円。
 主演のサチ・パーカーがすばらしい。少女時代に何年間か日本に住んだことがあるということで、日本語は上手。さらにその風貌からして上品な魔女そっくり。
 その彼女が登校拒否の孫娘・高橋真悠に課する魔女修行。その内容は、自分で決めたスケジュールは守る、というごくごく当たり前のこと。でもこれがなかなか守れない。自分を律する、何事にも動じない強い精神を鍛錬する。それが魔女修行の第一歩である。
 真悠の魔女修行はその第一歩の段階で終了。でも、祖母や両親の真悠を信じる愛と、豊かな自然に育まれて、登校拒否を克服するのだ。
 ヒロイン・高橋真悠が自然な演技でいい。母親に扮したりょうは、二代目魔女かと思うくらいそっくりでいい。あぶない役が多かった大森南朋も優しい父親に扮して違和感なし。危ない役がまだ現役である木村祐一もぴったりのはまり役。特に、みんないい人ばっかりと、なりがちなこの手の作品に反して、不気味な木村祐一の存在は、作品にリアルな奥行きをもたらしている。また、コメディリリーフ高橋克実もいつもながら、場を和ませてくれる。
 それらをすべてひっくるめて、長崎俊一の演出力の見事さに、乾杯!