渋谷ユーロスペース1にて、『つむじ風食堂の夜』(2009:篠原哲雄)を見る。1200円(会員)、パンフレット700円。
つむじ風が吹く北国の食堂に集まるお客たちのお話。
のっけから帽子屋・下條アトムの語りが見せてくれる。柔らかい温かみのある語り口で、「二重空間移動装置」と称する万歩計を駆使してのコペンハーゲンのお話。それに合いの手を入れる女優・月船さらら、古本屋・田中要次、果物屋・芹沢興人など。主人公・八嶋智人でなくとも物語に引き込まれてしまう、素晴らしい導入部である。
篠原哲雄監督の登場人物たちへの愛情あふれるまなざしは、『真夏のオリオン』(2009:篠原哲雄)と同様に、作品に暖かみをあたえてくれる。大作も小品も手を抜かす、見応えある作品に仕上げてくれる篠原哲雄監督、信頼できる本物の映画監督と言っていいだろう。
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