ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『ヒミズ』(2012:園子温)



 

 
 『ヒミズ』(2012:園子温)をユナイテッド・シネマ豊洲スクリーン7にて見る。1000円(金曜日会員割引)、パンフレット700円。
 これは家族の崩壊と再生の物語である。
 園子温監督は、
紀子の食卓』(2006)では家族ごっこを描き、
愛のむきだし』(2009)では父(渡部篤郎)と息子(西島隆弘)の葛藤を描き、
『ちゃんと伝える』ではめずらしく静かなるタッチで父(奥田瑛二)と息子(AKIRA)の相手を思いやる気持ちを描いていた。
 さらに、『冷たい熱帯魚』(2011)では父(吹越満)と娘の分かり合えない関係、
恋の罪』(2011)では母(大方緋紗子)が娘(冨樫真)を忌み嫌う関係を描き、
と、私が見た限りの園子温世界は家族そのものだ!
 この『ヒミズ』も借金取りから逃げまわっている父(光石研)と中年男と駆け落ちしてしまう母(渡辺真起子)との子供である住田祐一(染谷将太)という、家族の愛情に見放された中学3年生が主人公。
 その住田に恋い焦がれるクラスメート・茶沢景子(二階堂ふみ)も両親(堀部圭亮黒沢あすか)の愛から見捨てられた少女。
 この二人から放たれる圧倒的なエネルギー! 破滅的状況の中からも一筋の光を見いだし、生きていこうする二人。私も素直に応援したい。
「がんばれ!スミダ!」
「がんばれ!チャザワ!」
 
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