『わが母の記』(2012:原田眞人)をユナイテッド・シネマ豊洲スクリーン7にて見る。1000円(金曜日会員割引)、パンフレット700円。
樹木希林、宮崎あおい、キムラ緑子、南果歩、役所広司など、役者たちがすばらしい!
たとえば、キムラ緑子が母親ことを電話でグチるシーンでは、身体をくねらせながら片手でちょっとスカートの裾をたくし上げならボリボリと太ももをかきむしる。この何気ない日常のリアリティ、ひとつとっても役者たちのレベルの高さが垣間見られる。
伊豆の実家、風景、世田谷の自宅、軽井沢、等々の撮影がすばらし!
上流家族の家族愛を最高級の演技、演出、撮影技術で充分に描き切っている、この素晴らしさ!
でも、なぜかしら感動がともなわない。母親に捨てられたという主人公の意識がうまく伝わってこない。だから、母親の真意がわかっても、盛り上がらない。
原田眞人は、『金融列島 [呪縛]』(1999)、『突入せよ!「あさま山荘」事件』(2002)、『クライマーズ・ハイ』(2008)などの集団抗争劇のような内容だと、その目まぐるしいカメラワークとともに本領発揮していた。
今回の『わが母の記』では、新たなチャレンジではあるが、その家族愛を深く描くというレベルにはまだ達していない。これから、原田眞人がどの方向に突き進むのかはわからないが、さらなる精進を期待したい。
追記:今回の注目株は、役所広司の妻に扮した赤間麻里子さん。1970年生まれの「無名塾」出身ということで、映画はこれが初めて。なかなかいい雰囲気ある女優さんなので、今後見守っていきたい。
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