ぴくちゃあ通信

日本映画をメインにしたブログです。東宝映画を中心に古い作品から新しい作品まで、時には俳優を中心に話を展開します。

『さらば復讐の狼たちよ』(2012:チアン・ウェン)




 『さらば復讐の狼たちよ』(2012:チアン・ウェン)を、TOHOシネマズ六本木ヒルズスクリーン5にて見る。シネマイレージ6ポイントにて。
 前日金曜日朝日新聞夕刊で、「愉快、爽快、痛快。」で始まり「快作である。」で結んだ秋山登氏の評に心動かされ、シネマイレージのポイントがたまっていたこともあり、中国歴代No.1の大ヒット作とはどんなもんだろう。『愛と誠』を上回るおもしろさなんだろうなと、ちょっと期待してしまった。
 お尋ね者の山賊であるチアン・ウェン、詐欺師のグォ・ヨウ、街のボスであるチョウ・ユンファ。この3人の虚々実々の駆け引きがすこぶるおもしろい。出だしの馬列車襲撃のアクションも快調。“クワイ河マーチ”を奏でたり、“七人の侍”のテーマ曲を模したファンファーレが流れたり、過去の名作へのオマージュが楽しい。音楽は久石譲とシュウ・ナン。
 しかし、チアン・ウェンを含む7人の山賊たちの描き分けがしっかりなされていない。頭領以外は、誰が誰やら。二兄は射撃がうまいとか、三兄は馬が得意とか、何か特徴をもたせないと区別がつかないしおもしろくない。
 さらに、チョウ・ユンファの影武者を登場させているのだから、捕まったのは本物で、逃げ出して偽物に入れ替わったりと、二転三転させるぐらいの工夫が必要ではないか。そうしなければ、影武者のアイデアが生きてこない。
 とまあ、いろいろと細かいアラが出てくる。概して繊細さに欠け、大雑把なのである。この程度で歴代一の大ヒットを記録するとは、中国国民のレベルが、、、、。
 最大の欠点は、感情移入できる登場人物がいないということか。
 
にほんブログ村」に参加しています。応援クリックお願いします。
[https://movie.blogmura.com/movie_japanese/ にほんブログ村 映画ブログ 日本映画(邦画)]
[https://movie.blogmura.com/movie_director/ にほんブログ村 映画ブログ 映画監督・映画俳優]